303 黒と質感のコラボレーション Musee Soulage③

まだ美術館が開かないので外観を見ることにした。
公園の逆の斜面側。
コールテン鋼の直方体ボリュームが4つ、芝生と石の斜面に突き刺さっている。
言語としてはOlotにある住宅作品のCasa Horizonteに近いが、後者の直方体小口が窓なのに対し、
ここでは完全なコールテン鋼のみの閉じられた面となっている。
そのためか、より荒々しく、現代彫刻的なもの、土着的というよりはモノリス的、UFO的なもの、
つまり地球外から着地してきたようなものに感じた、というのが素直な感想だった。


 

コンペ時のパースでは斜面は全て芝生だったが、実際にはスロープ部分から礫岩に切り替わっていた。
意外に直方体ボリュームによる影が大きく、芝生が育たないと判断したのかもしれない。
礫岩はOlotにある作品でそこらじゅうにある土着的な素材として多用されているが、
このフランスの街で見ると少し違う印象である。


 

階段部分。
エッジを縁取るコールテン鋼、3本の丸鋼を溶接して1本にした手摺、ブリッジ状のボリューム下を潜るアプローチ等
RCR固有のボキャブラリーが並んでいる。


つづく