001 早稲田からY-GSAへ①

まずはこれまでの経緯を書こうと思う。

去年まで早稲田の建築学科で4年間学んできた。
通例なら早稲田の場合「建築6年一貫教育」を提唱していることもあり、そのまま早稲田の大学院に行く。しかし自分は外に出ることを選んだ。
Y-GSAは横浜国立大学の建築意匠系の大学院で、その特徴がスタジオ教育にある。
一般的な大学院ではどこかしらの研究室に所属し、2年間もしくはそれ以上をその研究室での研究テーマに沿って費やす。そして最後には修士設計または論文を書いて修士を修了する。
一方Y-GSAの場合、学生は半期ごとに一つのスタジオに所属し、4つのスタジオをめぐり、そこで出される課題を4つ制作して修了する。
自分がY-GSAを知ったのは大学3年生の夏頃だったと思う。書店で『建築をつくることは未来をつくることである』(TOTO出版)を目にしたときだ。その本では、4人の建築家、山本理顕北山恒・飯田喜彦・西沢立衛が対談をしていて、なぜこの四人が対談しているんだろうという程度の認識で、まさかそれが一大学の出版した本だとは思わなかった記憶がある。


つづく