019 私的スペイン建築探訪⑥

だいぶ間があいた。夏休みのことを書くのにどれだけ時間を費やしてるのかと自分でつっこみたくなる。

Pavilion in Les Cols。その個室はこのようになっている。

   

まず、圧倒的に深緑に包まれた空間。建物を構成する要素、家具などがすべてその色で統一されていることで、空間の空気自体が深緑になっている感覚だった。


そして次に驚いたのが空間構成である。部屋の入口自体が野天にあり、入口を入ると日本の縁側のような場所に出る。そこに広がる前庭は、この地方の火山地形を表現した、火山岩の庭になっている。まるで日本の枯山水の庭のようだと感じた。

   

この地面にはスプリンクラーが埋め込まれていて、不定期に放水する。そして火山岩が濡れて表情を変える。自然現象を再現しているとのことだ。

建物としては、寝室と浴室の二棟が連結された構成になっているのだが、それらはガラスボックスのようになっていて、フレームで地面から浮いて建っている。

   

透明な床下に火山岩の模様という、何とも不思議な空間になっている。


夜には静寂に包まれる。灯りも最低限で、聞こえる音は水のながれる音くらい。
朝、シャワーを浴びると、まるで自然の中で雨に打たれるような感覚になった。


つづく