025 私的スペイン建築探訪⑧

ソフィア王妃芸術センターは大きく三つの棟からなっていて、その三辺から形成される三角形の巨大な中庭がある。
階高でいうと5階分くらいの吹き抜けの中庭である。


その中庭と三つの棟を全て内包する大きな屋根がかかっていて、そこにいくつか刳り貫かれたトップライトから劇的な光が中庭に降り注いでくる。
その光に誘われるようにして、屋上までエレベーターで上った。

   

なるほど吹き抜けの中庭が見え、風が抜けて気持ちのいい場所だった。


しかしそれ以上に目に入ったのが、屋根に反射するマドリッドの街である。歴史的な建物、新しい建物、マドリッドの緑が、赤い反射する天井面に写り込んでいた。

街がこれほど大きいスケールでしかも上側に反射して映し出されるのはなかなか衝撃的だった。
風景が反射するといえば見慣れているのは大きな水面への反射だが、ここではそれが逆になっている感覚になった。


つづく