024 Global Ends②

RCR Arquitectesのプレゼンで印象に残った言葉、空気感。
残念ながら、本来講演する予定だった代表のRamon Vilaltaが急病で来られなくなってしまい、通訳として来ていた元所員さんの日本語で聞いた言葉だったが、それは確かにRCRの建築作品を言い表す言葉だなと思った。


実際に夏に観に行ったRCRの建築の内部空間には、確かに独特の空気感がただよっていたのを記憶している。そしてその空気感は、彼らが活動しているOlotという都市の独特の環境と歴史から生みだされているのだと思う。


しかもその空気感は、日本の伝統建築のそれともどこか似ている。
Pavilion in Les Colsの、刻々と移り変わる自然現象を愛でるような空間は、例えば日本の円通寺の借景庭園を彷彿とさせる。

日本人なら誰でも好きだし心地良い空間なのだけれど、現代の高度に都市化された日本ではあまり創造されることが少なくなったそんな建築を、遠いスペインの地でつくっている建築家がいる。それをとても不思議に感じた。


一つ気になったこと、これは今回の展覧会の建築家全てに共通することなのだが、彼らがもし都市に対してアプローチするとしたらどんなアプローチをするのだろうかということだった。たぶん日本の都市とは違って、そこには現前する歴史との対峙があるのだと思う。


RCRが今回の展覧会の建築家の中でも特に面白いと感じるのは、空気感や現象と対峙する自然環境と、そこまで多くはないが、現前する歴史と対峙する都市環境の両方の中で作品をつくっているところだった。


つづく