030 NHK「建築が人をつなぐ 〜妹島和世・西沢立衛の挑戦〜」の覚え書き

昨日、NHKクローズアップ現代でSANNAの特集が放映された。
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=2992


普段は建築とかアートとかそういったテーマはあまり扱っていない感のある番組なので危うく見逃すところだった。

司会者がSANNAの2人にロングインタビューするという30分間のものだったが、その切り口がなかなか鋭くて充実の内容だった。

特に印象に残ったのが次のセッションだった。


司会:現代は個人主義の時代といわれるが、今の時代の公共空間とは


妹島さん:個人主義っていっても、やっぱりなんか個人がなんでも好きにやれればいいってことではないと思うから。みんなで一つにやっぱりある集まりみたいなのを作れる場所なんだけど、多様っていうのはみんな一つになるためにはみんな同じ人じゃなきゃいけないっていうことじゃなくて、いろんな人が、なんかやわらかにみんなで一緒になれる。だけど、それぞれも自分のやり方で多様に参加できるみたいな場所をイメージしてる。

西沢さん:何か、多様性ということが夢がある、未来に向かって、なんかそっちに行ってもいいなと思えるようなもんなんだということを、なんか、空間的に描きたいというのはあると思うんですよね。やっぱり、個人という意見の違う、個性のあるいろんな人間が集まって、押し合い、へし合いしながら出来ていくっていうものが、やっぱり公共なのかなぁっていうふうに思いますけどね。(上記HPより引用)


今、修論を書いていて、まさに自分がうっすら考えたいと思っているテーマについての問いかけだったのでハッとした。もちろん今の自分では、こんなにうまく質問することも回答することもできないのだが。


「多様に参加できる場所」という言葉がそれに対するSANNAの姿勢を的確に表現しているように感じた。よく使われる「公園のような建築」とほぼ同義なのかもしれないが、「参加」という言葉に共感させられた。