061 『建築をめざして』を読んで②

おそらくここを起点として、その後近代建築が発展し、しまいには「機能的」という概念が普遍性を持って一人歩きをし、無機質な近代都市が量産されることになった。
そのため、「建築は住むための機械」という言葉だけをみて、人間味のない冷たさを感じてしまっていたのかもしれない。


しかし実際に読んでみると、当時台頭しつつあった「機械」たちの輝かしさと、それに目をつけ情熱的に語り、建築にもその輝かしさを取り入れようとするコルビュジェの直覚がなまなましく蘇ってきた。
確かにこの時代の視点からすると必然性がありかつ斬新な発想になっていて、それがその後の一時代をつくってしまった。


だからこの本から学ぶべきところは、その内容ではなく、この巨匠が如何に時代を読み、発想し、如何にプレゼンテーションしているのか、その姿勢なのだと思った。
そうやって読むと、とても面白い本だった。