078 Chef-Chaouen アンダルシアから行くモロッコ③

タンジェからバスで2時間ほど、青い街シャウエン。
フェズでもなくカサブランカでもない、モロッコ北部の街を巡ることにした一番の理由は、スペイン語が通じる地域であると同時に、この不思議な街があるということだった。



バス停からは、想像していたよりかなり急な坂を上って、旧市街の入り口の門にたどり着いた。
門から先は、まさに青の空間。
外壁がすべて青で塗られているというのは、予想以上の効果を生んでいる。
街の中も、モロッコの他の街のようにしつこい自称ガイドなどがあまりいないので、比較的リラックスして町歩きができる。



外壁も時には内壁も青く塗られることで、どこまでがソトでどこまでがウチか分からなくなるような効果がある。しかもその塗り方が雑で、塗ったというよりぶっかけられたように道にまで塗料が及んでいて、壁と道の境すら曖昧にする。
その間を区切るために、やはり青く塗装された門が設えられるのだが、一部を写真で切り取ると、もはやそれが室内か室外かは分からなくなる、そんな感覚がある。市場の多くは、服や絨毯等の商品を外にかけているので、それがまたインテリアのような彩りを添える。



<外部空間・街路空間のインテリア化>
たぶんここで起こっている現象は、そのように説明できると思う。
建築が主役となって街路空間を作っている好例と言える。


つづく