310 ベルギーの小さな街のアートプロジェクト Reading Between the Lines③


建築というよりは彫刻作品で小さなものだが様々な気づきがあった。
ちょうどこの作品越しに村側を見ると、背景に作品と同じシルエットの教会が見え、呼応しているように見える。
水平の鋼板が積層されているだけなので、アイレベルは透明のようになり、周囲の丘の風景へと連続している。
その透明の層から少し視線を上下にすると今度は輪郭とボリュームが浮かび上がってくる。
透明の層もモアレのようなゆがみがあり、周囲の風景を変形させる。



視点を変えるとまた違う姿が見えてくる。
正面から見ると建物が半透明なので、建物自体の断面のような姿になる。


  
内部は特に面白いものではなかった。
尖塔部分の見上げは圧巻ではあったが。


立ち去る際にもう一度作品を振り返って見た。
当然だが、丘にひっそりと水平線が積層された輪郭が佇んでいる。
自分の次の訪問者は何時間後だろうか。わざわざここまで来る人がいるのだろうか。
自然の中に放り込まれ、後は成り行きにゆだねられた作品。