015 私的スペイン建築探訪②

  


まず、入口から入った階段室。海中の洞窟のように、曲線的な階段・壁・天井。そして、トップライトから仄かな光が入っている。
少し、ディズニーっぽい感じもした。変な例えだが、ディズニーの「リトルマーメイド」のような世界観。


  
そして、二階にある表通りに面した部屋。窓枠や扉もすべてに曲線が使われている。とくに目を惹かれたのが、部屋をつなぐドアの枠の部分。ドア自体が曲線的にうねっているのだが、それにあわせて、枠も波打っている。よく見ると、曲線的な木のパーツを継いでつくられていることが分かる。デザイン自体もさることながら、これをつくった職人の技術にも感動した。


  
最も感動したのは、このエレベーターのある階段室だ。
青と白を基調としたタイルが貼られており、各階の曲線的な窓が顔を出している。その吹き抜けの中心にエレベーターがあり、エレベーターの周りを階段が取巻く。階段の手すりの下には、チェック柄に屈折の入ったガラスが使われていた。


さて、このエレベーターに乗って、昇りながら外をみると、この作品のコンセプトが100%体感できる出来事が起こる。
歴史を感じさせる木製のエレベーターには窓がついていて、その窓からチェック柄のガラスを通して、壁の青と白のタイルが揺らめきながら見えるのである。それはまるで海の中を海底から海面に上がっていくように・・・。


エレベーターでの移動、チェック柄に屈折するガラス、そして壁のタイル。3つがつなぎ合わされて1つの体験を生むこの空間は素晴らしいものだと思った。


つづく