109 雪原のスイス Therme Vals①


スイスの鉄道の時間の正確さはすごい、ということを書いたが、冬、山奥のTherme Valsを訪れた時は例外だった。
夏に一度訪れた時に全てがスムーズに移動できた印象が強く、迂闊にも、スイスが雪国だということをすっかり忘れていた。


その日は、スペインからの飛行機がまずスイスでの雪の影響で遅れた。
朝にジュネーヴに着く予定だったのが昼過ぎ、そしてジュネーヴから目的地まで相当かかる。


そもそもTherme Valsはスイス東南部、最寄りの空港のあるチューリッヒから行けばよかったのだが、どうしても見たい車窓からの風景があったので、この経路にした。


夏の時と同じように、ジュネーヴ空港駅を出発した列車はジュネーヴ駅を過ぎ、レマン湖沿いに進む。
当然、夏と違って、雪に覆われた白の世界が広がっている。



そしてローザンヌ駅を過ぎた所でようやく見たかった風景が見えてきた。
レマン湖を囲うように広がる、斜面の葡萄畑と街並。線路はそれを俯瞰するように続いている。
夏に来た時にだいぶ印象に残った風景だったが、雪の白一色に覆われてますます綺麗だった。


つづく