413 建築化された「散歩」_Grace Farms(1)
鉄道駅から歩くこと約1時間半.
随分と長い道のりだった.
ここはニューヨーク郊外のNew Cannan.
アメリカでも特に富裕層の多い街.
途中の道のりには, 森林の中に別荘のような邸宅が並ぶ.
やっと辿り着いた, Gracefarmsの正門.
これだけだと, まるでゴルフ場のようだ.
時計は11:45.
無情にも守衛から「12:00まで開門しない」と告げられ, しぶしぶそのあたりの芝生に座って時間を潰す.
ゆるやかな芝生の丘.
家畜用の柵の向こうにやっと見えてきたのが, 今回目的の建築物.
木質仕上げのうねる屋根が踊る異質な建築物.
けれどそれはあたかも丘沿いに広がるピクニックルートのように,
敷居も何もなく, 来訪者を迎え入れる.
建築というよりは公園の延長, 東屋のようなもの.
月並みな表現だが, それがこの建築を見たときの第一印象だった.
つづく