414 建築化された「散歩」_Grace Farms(2)

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丘の起伏に沿って蛇行する「散歩道」.

途中途中にガラスで仕切られた屋内空間が出現する.

 

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それぞれがサロンだったり, レストランだったり, 図書室だったりする.

いずれも徹底されているのが, 「室」にならないようにしていること.

あくまでもサロンもレストランも図書室も, 「通路」つまり「散歩道」の一部として作られている.

 

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「室」となれば, そこは明確にその機能として分けられてしまう.

けれどこれが広い「通路」だとどうだろうか.

機能の範囲は曖昧となり, 核と, その周縁のグラデーショナルな部分が発生する.

人が集まって活動している場と, その周縁の, 活動を眺めながら素通りしたり遠巻きに眺めたりする場所がある.

いわゆる<活動=アクティビティ>との距離感を, 散策者が自由に選択できるようなつくりだと言える.

 

この建築を巡っていたら, 数年前に訪問したEPFLラーニングセンターのことを思い出したので, 次は少しそこに触れることにする.

 

つづく