318 ユトレヒト/グラフィック(4)
街をいろどる, 遊び心のあるグラフィック.
ユトレヒト駅の中からそれは始まっていた.
再開発中で非常に雑然とした駅周辺. 初めてこの街に列車で降り立った時に感じたガッカリ感はその後の街歩きで解凍されていったが, 駅周辺だけはいただけない街並みだった.
そんな駅構内にあったグラフィック.
1枚目はブックスポットと呼ばれるもの.
2枚目は中央美術館のディスプレイ.
その中央美術館.
駅からは運河沿いの道を楽しみながら, その末端にある.
駅のディスプレイと同一の, 単純な幾何学によるグラフィック.
線種によるメリハリがポイントだろうか.
日本人来訪者も多いのか, さりげなく日本語も使われている.
路地を挟んで向かいの同じような建物はミッフィー美術館.
シュレーダー邸の帰りで戻ってきた時, すでに両方とも閉館時間を過ぎていた.
しかし薄暮の路地に浮かぶ, 光る円形とウサギのシルエットが「おかえり」と出迎えてくれているような感じがした.
街並み, 人々, そしてグラフィック.
ユトレヒトは不思議な親近感の湧く街だった.