323 Crematorio/空気感とランドスケープ(2)
水平性を強調する水盤, 無機質に建つ本体のコンクリートボックス.
回廊は, この湿地の風景をただ眺めるだけでなく,
その空気感の中に身を浸し, 気を整えるための境界.
<中間領域>と言ってしまえばそうなのだが, 何かそれだけではニュアンスが抜け落ちてしまう. <コンテクスチュアリズム>という言葉も間違ってはいないが, それも完全に言い表すには物足りない.
そのランドスケープの空気感の中に滑りこまされ, その場所の空気感を顕在化させる, 新築の遺跡のような空間. (人造物でありながら閉じられていない不完全な形態物という意味で, ここでは遺跡という言葉を使う.)
回廊のもう一方の端部は, 建物から出てまた湿地の先へと延びる.
回廊の末端部.
その先へもずっと平らな湿地が続いている.
単に将来拡張予定なのか, もしくはこの先は精神世界へ続くことを表現しているというのは深読みが過ぎるだろうか.
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