322 Crematorio/空気感とランドスケープ(1)

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ベルギーに戻り, Aarschotという駅からバスで15分ほど,

RCRのCrematorioを訪れた.

実はこの作品, 完成は訪問時のつい直前であったが, プロジェクト自体はかなり以前のもの. 2000年代前半のEl croquis には既にほぼ同じイメージでプロジェクトとして掲載されていた.

構想自体は, Casa HorizonteやBell-lloc, Espacio Barberiとほぼ同時期なのではと思う.

 

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元々が, アーキテクトでありランドスケープアーキテクトでもある, RCR Arquitectes.

建築とランドスケープの境界を行く微妙な立ち位置がスタート地点であり, それが結果的に彼らの独自性となっている.

このプロジェクトは構想がそのスタート地点に近く, 且つ一番最近に施工されたもの, ということになる.

 

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地元Olotでの土地にも建物にも火山岩が積み上がっているランドスケープ.

それに対し, ここではフランドル地方の平野と湿地がどこまでも広がるフラットさ, 土地の低さにフォーカスが当てられている.

 

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黄白色のコンクリートの園路, コールテン鋼の外構エレメント.

なだらかなアプローチ.

 

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園路は建物の端から, 建物外周の回廊へと誘導.

微妙に下がりながら.

建物の高さをあまり感じないのは, このことに起因していると思われる.

中央の門のような部分を作るのではなく, わざわざ端から入るように誘導させるアプローチ. 建物外周もあくまでも園路の一部として構成する意図が見える.

 

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