324 Crematorio/空気感とランドスケープ(3)
葬祭場の内部へ.
クレバス状の細長い回廊.
窓は無く, 淡黄色気味のコンクリート壁を, トップライトからの光が洗う.
矩形の礼拝堂.
無数に降り注ぐスリット状の光.
天空からの光が分厚い地を突き破ってそこに到達する様子はBell-llocの表現とも似ている.
方形の礼拝堂.
ここも窓は皆無.
浮かぶ光の箱が, 天空光を集めて部屋の中央へ放出している.
内部空間では風景に対するつながりというより, 光による天空とのつながり,
より精神的なテーマとなっている印象だ.
外界と遮断された内部空間から再度外界へ出る.
そのコントラストがあるからこそ, その場の空気感とランドスケープがより強められる.
しかしそれは完全なる自然礼賛ではない.
人工物と自然の間に生じるこの緊張とバランスこそが, RCR建築特有の空気感を生んでいると思う.